「塩化アルミニウムの密封療法」がすごい
8月24-25日.第15回日本発汗学会総会に参加してきたことは,
前に報告しました.
今日は一般演題の7.
田中先生のご発表の中から,トピックスをお伝えしたいと思います.
もっと簡単にすれば,100人中75人が塩化アルミニウム溶液密封療法で,
残り25人の77%,すなわち19人はボトックスで対処できるというのだ.
これって,ものすごいことじゃない?
ちなみに「掌蹠」は「しょうせき」と読んで,「手のひら足の裏」を意味します.
汗自体の評価については
その汗によってどれくらいの精神的ダメージを抱いているかなどを,
しっかりと診られての評価なので,本当にすごいと思う.
スライドを見てみると,
塩アルODT前に1.5mg/cm2/minあった汗が,治療後は0.3mg/cm2/min程度に,
BOTOXの場合は1.7→0.25.
この数値をみても,効き目は納得できちゃいます.
治療効果の程度は一般にも通るものか否かはわかりません.
でも,重度の掌蹠多汗症100人のうち94人が救われるということを聞くと,
希望が持てませんか?
ボトックスは保険が利かないこと,
適用が16歳以上であること,注射時の痛みなど,
まだまだ問題も多く,選択される患者さん自体が少ないそうです.
塩化アルミのODT(密封療法)を根気よく(毎晩)続けてもらうこと.
これがあなたを手汗から救う,一番の方法かもしれません.
問題の手あれについては,
アルコールを精製水に換えることで,かなり改善されるとのこと.
それでもダメな場合は,
隔日にするなど,頻度を減らして対処されるのだそうですよ.
最後に病態解析の部分.
Zung,30GHQ,DLQIという手法で精神分析をされています.
最後のDLQIというのが皮膚疾患に関連した健康感連QOL評価.
奇しくも,私のページでは,
しのみやクリニックを,この医科歯科大と一緒に,
掲載当初は2施設だけを紹介させていただきました.
お2人とも手汗に精通し,すばらしい治療をされる先生です.
発汗学会も最初からお世話になっており,連携もバッチリでしょう.
発表のあと横関先生に直接伺ったのですが,
ODT療法は新しいものではなく,1970年代に報告があるそうなので,
また時間をみつけて文献を当たってみたいと思います.
この密封療法(ODT)については,
しんじょう薬局さんのページにも詳しく載っているので参考にされるといいでしょう.
おっと...
「段階的治療」というお話をし忘れました.
長くなってしまうので,また次回..(^^)/~~
※汗関連情報は「ゆう星☆汗の輪」へどうぞ.
前に報告しました.
今日は一般演題の7.
7.掌蹠多汗症の段階的治療と病態解析の試み
東京医科歯科大学 皮膚科 田中智子,佐藤貴浩,横関博雄
田中先生のご発表の中から,トピックスをお伝えしたいと思います.
重度の掌蹠多汗症34例(男8例,女26例)に,という.
・20%塩化アルミニウム溶液の Occlusion Dressing Therapy(ODT)療法を施し,有効率75%.
・無効例に対しBOTOX治療.至適濃度以上の投与群で77%の有効率.
・この2つの方法を組み合わせることによって,
ほとんどの患者について掌蹠多汗症の症状改善,寛解をみた.
もっと簡単にすれば,100人中75人が塩化アルミニウム溶液密封療法で,
残り25人の77%,すなわち19人はボトックスで対処できるというのだ.
これって,ものすごいことじゃない?
ちなみに「掌蹠」は「しょうせき」と読んで,「手のひら足の裏」を意味します.
汗自体の評価については
・簡易発汗試験紙による発汗の定性手のひらのどの部分の汗が,どのくらい多いのか,
・発汗計による発汗量の定量
その汗によってどれくらいの精神的ダメージを抱いているかなどを,
しっかりと診られての評価なので,本当にすごいと思う.
スライドを見てみると,
塩アルODT前に1.5mg/cm2/minあった汗が,治療後は0.3mg/cm2/min程度に,
BOTOXの場合は1.7→0.25.
この数値をみても,効き目は納得できちゃいます.
治療効果の程度は一般にも通るものか否かはわかりません.
でも,重度の掌蹠多汗症100人のうち94人が救われるということを聞くと,
希望が持てませんか?
ボトックスは保険が利かないこと,
適用が16歳以上であること,注射時の痛みなど,
まだまだ問題も多く,選択される患者さん自体が少ないそうです.
塩化アルミのODT(密封療法)を根気よく(毎晩)続けてもらうこと.
これがあなたを手汗から救う,一番の方法かもしれません.
問題の手あれについては,
アルコールを精製水に換えることで,かなり改善されるとのこと.
それでもダメな場合は,
隔日にするなど,頻度を減らして対処されるのだそうですよ.
最後に病態解析の部分.
Zung,30GHQ,DLQIという手法で精神分析をされています.
最後のDLQIというのが皮膚疾患に関連した健康感連QOL評価.
・治療前後で,全体的に精神状態の改善がみられたと結ばれました.
・個別にみると,増悪する例も少なからずあり,精神科との治療の連携が必要と思われた
奇しくも,私のページでは,
しのみやクリニックを,この医科歯科大と一緒に,
掲載当初は2施設だけを紹介させていただきました.
お2人とも手汗に精通し,すばらしい治療をされる先生です.
発汗学会も最初からお世話になっており,連携もバッチリでしょう.
発表のあと横関先生に直接伺ったのですが,
ODT療法は新しいものではなく,1970年代に報告があるそうなので,
また時間をみつけて文献を当たってみたいと思います.
この密封療法(ODT)については,
しんじょう薬局さんのページにも詳しく載っているので参考にされるといいでしょう.
おっと...
「段階的治療」というお話をし忘れました.
長くなってしまうので,また次回..(^^)/~~
※汗関連情報は「ゆう星☆汗の輪」へどうぞ.
この記事へのコメント
ご報告をありがとうございます。
密封療法に興味を持ってくださったドクターがいてくださることはたいへん心強く、私も勉強になりました。
いつもありがとうございます。
田中先生はいろいろと頑張っておられるようです.次代の汗博士ですね.
塩アルも使い方だって,ホント実感しました.
私と同姓なのも因縁かも(笑)。
もっともっと,こういう先生,増えて欲しいです.
汗治療にチャレンジしてくれるドクターが...